愛おしい人

夜寝るときになにげなく、携帯のファイルの中の写真をみていた。
犬の写真やら風景やら、お得なお買い物など、料理などの写真にまじって
2年半ぐらい前病院で点滴を受けてるときにとった自分の顔写真がいくつかでてきた。

ベットの上での写真。目の周りと口の周りはどんより赤黒い。
ほっぺにもあかいもりあがりがあり、なにより、こちらをみつめるまなざしがもう・・疲れてるというか、さびしげというか、せいいっぱいというか。

このごろはまだましになってきた状態だったのにこの状態だったんだなー。と。
で、写真をみながら、
「あーがんばってたな。よく耐えてたな。つらそうだな・・愛おしいなあ」と思ったのだった。

以前なら「げっ、。なにこの顔みたくないっ、」とすぎに画面をきりかえ、
うわっ!・・・はあ・・っつっとため息ついた。

ただ今回はほんとうに
「この人(自分w)・・愛おしいなあ」とかんじたのだった。
きもいとか、ひどい顔だとかそういう感情よりも、愛おしさが先にたち
画面に向かって話しかけていた。

あー、こんな感情はじめてだ。
自分で自分を受け入れるとはこういうことか。
なんだかほんわりと、そのまま眠りについたのだった。

翌日は、ちょっと日帰りで出かけた。
朝鏡の前で遠めに自分をみて、まー、ユニクロづくめで帽子もかぶって
あやしいひとだけど、まーいいか。みたいなかんじ。

で、駅に行った。
駅のトイレで明るい照明の下で自分をみた。

「ぐっ!やばい、なんだっ?これは」

そう家の中で見る姿顔と、明るい照明のしたはちがってみえるのだ。
どっちがほんとって、この明るい照明のしたでしょう。

その瞬間いとおしさがふっとんで、
「やばいよ・・ぜんぜんかわってないじゃん。きもい、何歳なんだこれ」
と落込んだのだった。

そして都会について、田舎とはちがって駅にいる人々はみな闊達でおしゃれをしていて、お化粧もばっちし。

自分は・・・やっぱり年齢不詳、どすぐろい顔の上ノーメイク、ノーアクセサリー、ノーマニキュア。

でも化粧もできないし、マニキュアもできないのよね・・今は。

なんだかねー、
明るいとこにでてきちゃ場違いの気がした。

もっと元気になりたい。もっと実年齢とおなじ若くなりたい(笑)と思った。


で、今日も病院の待合で携帯で写真をとってみた。
うーん、あのね、よくなってきてたとおもってたけど、
やっぱりね。あの2年前の写真とどっこいどっこい。
顔もなんとなく赤いし、グレーだし、めのまわりもおなじだし。
げっ、あんまかわってないじゃん。

あれから二年ちょっとたってるからその分年齢を重ねてるから、それもあるかなー。

受け入れがたい現実。
でもそれが現実。

また自分を
愛おしい・・と思えるのはいつの日だろうか・